第2部 第7章
赫焉の解放者
ウサタロー |
さあ、長野県に到着したぜ! みんな、準備のほうはできてるな? |
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酉原剛 |
俺様はいつでもいけるぜ! |
皆野祐樹 |
空に大きな穴が……あれが時空の穴なのか。 とんでもないところに来ちゃったね。 |
村雨礼司 |
場所は浅間山のふもとのようだが……。 エターナルはここにいるのか? |
セクレト |
その可能性が高いと判断しました。 |
名雲光 |
そんじゃ、説明も兼ねて状況のアップデートすんよー。 |
名雲光 |
とりま、浅間山の周辺に大量の手下怪人がいんのね。 確認されてるだけで四万五千体ちょっと。 |
出島ソラ |
ふーん、それはちょっと大変かもね。 |
森沢江湖 |
ちょっとって数かな……。 |
磐城藍 |
手下怪人だからと甘く見ない方がいいですよ。 敵は厳重な警戒網を敷いているようですから。 |
宇治館光正 |
だが、この警戒の仕方から見て、 奴がここに隠れているのは間違いないだろう。 |
セクレト |
衛星カメラよりダークマター・エターナルの姿を確認。 浅間山の山頂にいるようです。 |
嵐山瑠璃 |
では、空から攻めてはいかがでしょう? ここまで乗ってきたヘリコプターもありますし。 |
衛守カブト |
御嬢、それは得策ではござらぬ。 空を周回している手下怪人も多いゆえ。 |
衛守アギト |
山腹から上がってる煙、ありゃ航空機のもんだぜ。 多分、不用意に山に近付いて撃墜されたんだ。 |
セクレト |
イエス。ヘリコプターを使って安全に 近寄れるのは、ここまでとなります。 |
皆野祐樹 |
ここからは自分たちの足で 山に登ってくしかないってわけだね。 |
村雨礼司 |
他のヒーローチームも続々集まってきてるみたいだな。 |
森沢江湖 |
日本中から百以上のチームが集まってきてるんだって。 みんな学園長の呼びかけに応じてくれたんだよ。 |
酉原剛 |
心強いじゃねーか! |
宇治館光正 |
だが、そう長くは待っていられないぞ。 |
宇治館光正 |
こうしている間にも浅間山は、宇宙の終わり―― 『虚無』に侵食されていっている。 |
宇治館光正 |
山が『虚無』に呑み込まれたら山頂には行けなくなる。 そうなったらゲームオーバーだ。 |
皆野祐樹 |
その前にエターナルを止めないとってことか……。 あとどれくらい時間残ってるのかな? |
セクレト |
突撃開始まであと十八秒です。 |
皆野祐樹 |
残ってなかった! ちょっと待って、まだ心の準備が! |
宇治館光正 |
覚悟を決めろ!行くぞ! |
ソルダート・レッド |
てやーっ! |
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皆野祐樹 |
あっ、ソルダート戦隊のみんな! |
ソルダート・レッド |
ライオンハート戦隊の諸君! ここは我々に任せて、先に進みたまえ! |
ソルダート・ブルー |
そのとおりだ、ストライカー戦隊よ! 聞けば敵を倒すには超変身が必要だというではないか。 |
ソルダート・グリーン |
ならばエンゲルマスク&ファーストエイド戦隊は、 無傷で山頂まで送り届けねばな! |
ソルダート・ホワイト |
さあ行け、サイバーフォックス戦隊! 君たちの役割を果たすのだ! |
森沢江湖 |
それは嬉しいんだけど……。 なんでみんな言ってることがバラバラなの? |
村雨礼司 |
色が似たやつをチームリーダーだと言い張ってるのか。 |
ソルダート・ブルー |
さすがは村雨リーダー。 鋭い洞察力を持っているじゃないか。 |
ソルダート・ホワイト |
いや、リーダーは名雲だろう? |
ソルダート・ブラック |
誰がリーダーでもいいだろ。 黒い奴がいない時点で議論する価値もない。 |
ソルダート・グリーン |
ブラック! なんてことを言うんだ! |
ソルダート・ブルー |
だが、待ってくれ。 そもそもソルダート戦隊のリーダーは誰なんだ? |
ソルダート・レッド |
そんなのレッドに決まってるだろ。 赤だぞ、赤。それこそ論じるまでもない。 |
ソルダート・ブラック |
あ?いつ誰がリーダーに決まったって? |
ソルダート・レッド |
結成したときだよ。 というか、やろうって誘ったの俺だからね? |
ソルダート・ホワイト |
君の誘いには乗ったが、 君をリーダーと認めた覚えはないな。 |
ソルダート・レッド |
なんだと! |
皆野祐樹 |
あ、ありがとう! 話が深まる前に、僕たちは先に行かせてもらうね! |
森沢江湖 |
あんまり熱くなっちゃダメだからね~。 |
ソルダート・ブルー |
……行ったか。 |
ソルダート・グリーン |
森沢さんは熱くなるなと言っていたが、 今熱くならずに、いつ熱くなるというのだ。 |
ソルダート・ホワイト |
ああ、ここからは我々の活躍の場。 一世一代の大勝負が始まるというのに。 |
ソルダート・ブラック |
見ろ、敵が万単位で押し寄せてくるぞ。 追撃を断つため、我々はここで踏みとどまる! |
ソルダート・レッド |
いいか、絶対に死ぬんじゃないぞ! |
ソルダート・グリーン |
おいおい、リーダー気取りで命令か? |
ソルダート・レッド |
違う、友達からのお願いだ。 |
ソルダート・ブルー |
フッ……言われるまでもない。 全員で生きて帰ろうぜ。 |
ソルダート・ホワイト |
みんな行こう! 我々の力を見せてやるんだ! |
ソルダート・ブラック |
ソルダート戦隊、出撃だ! |
森沢江湖 |
みんな、怪我はない? なにかあったらすぐ私に声かけてね! |
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皆野祐樹 |
怪我もそうだけど、体力のほうも心配だよ。 みんな、疲れてない? |
酉原剛 |
俺様、ちょっとヤベーかも。 このままじゃ脱落しちまうかもしれねぇ。 |
皆野祐樹 |
え、一番体力のある酉原くんが!? |
酉原剛 |
疲れたわけじゃねーけど、チキンが尽きちまった。 このまま戦闘が続いたらヤベーぜ。 |
名雲光 |
オルチャンでなんとかならないわけ? |
酉原剛 |
オールチャンピオンズな。 超変身能力はもちろん使えるが、それだけじゃな……。 |
香美めろん |
そんなエンゲルマスクに、パンをお届け! |
香美あんな |
パン焼きシスターズ、華麗に参上! 焼きたてパンを召し上げれ! |
酉原剛 |
うおお、ラブレッドにコゲチャード! すげーありがてぇぜ! |
香美あんな |
ちょっとコゲたのもあるけど……。 |
酉原剛 |
いや、全然うめぇよ! おかげで全身に力が漲っていくぜ! |
香美めろん |
よかったわね、あんなちゃん。 頑張って焼いてきた甲斐があったわね。 |
香美あんな |
まだまだたくさん焼くからね。 ここにあるパン、全部持ってって! |
酉原剛 |
おう!追加のパンも楽しみにしてるぜ! |
森沢江湖 |
でも、こんな敵地の真ん中でパン焼いてて大丈夫? |
臼杵大火 |
ならば、ここは自分たちに任せてもらおう! ファイヤーーーー!! |
臼杵石矢 |
ここに砲撃陣地を構築し、手下怪人を駆逐する! デンジャーーーー!! |
香美めろん |
ヴォルカニックにデスガジェット。 頼んでもいいの? |
臼杵大火 |
もちろんだとも!というかやらせてほしい! 民家を気にせず戦える機会なんてそうそうないんだ! |
臼杵石矢 |
思う存分暴れられるぜ! 撃って撃って撃ちまくるぞー! |
皆野祐樹 |
こんな活き活きしてる二人見るの、初めてかも……。 |
臼杵大火 |
なあ、石矢。 どっちが手下怪人を多く落とすか、勝負しないか? |
臼杵石矢 |
望むところだぜ、大火! 千回に及ぶお前との勝負に、今日こそ決着つけてやる! |
皆野祐樹 |
そんなに勝負してるんだ。 どっちが勝ってるの? |
臼杵大火 |
五百勝五百敗。 今のところは引き分けだ。 |
ウサタロー |
この二人、一生勝負し続けてそうだな。 |
越村紫電 |
ありえないありえない……。 |
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皆野祐樹 |
あ、エスパーク! そんな難しい顔して、どうしたの? |
越村紫電 |
なんでこの俺がサポート役なのかと思ってさ。 |
越村紫電 |
せっかく時空の穴を作り出してた黒幕が判明したのに。 肝心なところで活躍できないなんて……。 |
森沢江湖 |
越村くん、目立ちたがり屋だもんねぇ。 |
ウサタロー |
今回の戦いには、超変身の力が必要なんだ。 悪いが今回はサポートを頼むぜ。 |
越村紫電 |
帰っていい? |
森沢江湖 |
ええ~、そんなこと言わないでよ~。 サポートって大事なんだよ? |
越村紫電 |
集合写真で真ん中に来る奴に なりたいだけの人生だった……。 |
名雲光 |
ウケる。めっちゃイジけてるし。 |
村雨礼司 |
まったく、面倒だ。 名雲、髪形を整えて別人格を引っ張り出してやれ。 |
名雲光 |
あいあい。 ポンキューちゃんの静電気で上手いことやるわ。 |
森沢江湖 |
ほら、越村くん。鏡だよー。 |
越村紫電 |
……おっとー? この鏡に映ってるイケメンは誰かなー? |
越村雷也 |
あ、俺じゃ~ん。 髪型も決まってるし、気分アガってきたわ~。 |
酉原剛 |
これはこれで面倒くさくねーか? |
皆野祐樹 |
ネガティブ人格で帰られちゃうよりは……。 |
村雨礼司 |
単純に計算しても、一人で手下怪人を百体以上 倒してもらわなきゃ困るんだ。頑張ってくれよ。 |
越村雷也 |
オッケーベイビー、俺なら大丈夫さ! 髪が乱れる間もなく一網打尽にしてやるぜ! |
村雨礼司 |
さすがにそこまでは言わないが……。 まあ、とにかく頑張ってくれ。 |
皆野祐樹 |
でも、越村くん一人にしておいていいのかな? 誰かお目付け役がいたほうがよくない? |
弥富博士 |
ウォ!ならばその役目、我々が請け負いましょう! |
弥富学士 |
ギョギョッとするような戦果をお目にかけますぞ! |
越村雷也 |
ふ~む、君たちが俺の引き立て役を? |
弥富学士 |
ギョ!ご不満ですかな? 懇切丁寧なサポートで、その髪型をお守りしますぞ? |
弥富博士 |
頭部を守りたい者同士、仲よくしようではござらぬか。 |
皆野祐樹 |
頭部って、その金魚鉢?割れると大変なの? |
弥富博士 |
死にます。 |
村雨礼司 |
えっ! |
弥富博士 |
な~んてね、ドクトルジョークですぞ。 |
弥富学士 |
ギョギョギョ!これは傑作! ……どうかしましたかな、村雨くん? |
村雨礼司 |
いや……なんでもない。 |
弥富学士 |
とにかく、ここはわたしたちにお任せを。 越村くんを切り替えつつ、三人で戦ってみせますぞ! |
森沢江湖 |
それじゃお願いするね、三人とも。 でもなんでだろう……ちょっとだけ不安かも? |
名雲光 |
あ~、ヤッバイ。 敵の数多すぎて気が滅入ってきたかも。 |
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森沢江湖 |
私も……軍隊を相手にしてるっていうか、 まるで戦争してるみたいな気持ちになってくるよ。 |
宇治館光正 |
弱音を吐くな。 この戦いに、宇宙の命運がかかってるんだぞ。 |
出島ソラ |
弱音ぐらい許してあげなよ。 |
出島ソラ |
君はどうだか知らないけど、ボクたちはこんなに 規模の大きい戦い、経験したことがないんだ。 |
宇治館光正 |
それは……! |
磐城藍 |
まあまあ、光正。 叱咤も大切ですが、激励はもっと大切ですよ。 |
磐城藍 |
ここはお互い、励ましあっていきませんか? |
宇治館光正 |
……ああ、そうだな。 |
村雨礼司 |
しかし、この数万もの手下怪人を、たった一人の怪人が 生み出しているというんだから驚きだな。 |
酉原剛 |
やりすぎだぜ、出島先輩。 いくら絶望したからって、ここまでやるか? |
出島ソラ |
やるだろうね。 |
酉原剛 |
……おう。 |
出島ソラ |
ナミが人生を全うできずに殺されたなら、 ボクはやるよ。確実にね。 |
嵐山瑠璃 |
お兄様……。 |
名雲光 |
自分のこととはいえ、黒幕の気持ち分かっちゃうか~。 ちなみに宇宙を滅ぼそうとする理由は? |
出島ソラ |
あの『宇宙の終わり』が広がりきれば、時間も終わる。 ナミが殺される未来は来ない。永遠にね。 |
皆野祐樹 |
一応、そういうことにはなるのかな……? というかスラっと答えが出てきたね。 |
衛守アギト |
迷いない感じが怖いわ。 お坊ちゃん、どうかしてるぜ? |
磐城藍 |
しかし、妹さんはこのとおり生きています。 彼女が生き続ける未来の可能性まで消すのはなぜです? |
出島ソラ |
ボクなら当然、そんな選択はしないよ。 |
出島ソラ |
けどエターナルのボクにとって、結果は一つしかない。 他の可能性なんて関係ないんじゃないかな。 |
宇治館光正 |
だが、未来は変えられる。俺はそのために―― |
出島ソラ |
だから、関係ないんだってば。 |
出島ソラ |
五年後の特異点でナミの死を見たその瞬間、 エターナルにとっての世界は終わったんだよ。 |
宇治館光正 |
それが……エターナルが宇宙を終わらせる理由か……。 |
皆野祐樹 |
宇治館くん……。 |
ウサタロー |
見ろ、あそこで誰か戦ってるぞ。 |
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村雨礼司 |
あの変幻自在の影……。 シェイドマスターとブライトサーバントか。 |
新庄千景 |
おっと、誰かと思えば超変身組じゃないか。 Are you guys ok?調子はどうだい? |
皆野祐樹 |
みんなのおかげで、ここまでは順調だよ。 新庄くんのほうは大丈夫? |
新庄千景 |
コラ皆野、俺ヲ踏ムナ。 |
皆野祐樹 |
わわっ、ごめんねブライトサーバント。 |
サウザンド=シャドウ |
俺タチ、大丈夫。 デモ大丈夫ジャナイ奴、イル。 |
新庄千景 |
連れが制御不能でさぁ。 ちょっと困ってるんだよね。 |
森沢江湖 |
制御不能って……誰と一緒なの? |
網走マキナ |
モグモグ、シャクシャク。ボリボリ、ゴックン。 |
玉出レイ |
バキッ!バキッ!ジュルルル……ゴックン。 |
網走マキナ |
う~ん、星ふたつかしら。 味と食感の調和がいまいちですけれど。 |
玉出レイ |
星みっつですわ! 食べても食べてもおかわりし放題ですもの! |
森沢江湖 |
手下怪人を食べてるー! |
村雨礼司 |
もちろん、そういう奴らだとは知ってるが、 実際の食事シーンはなかなか来るものがあるな……。 |
森沢江湖 |
どんな味がするんだろう……? |
網走マキナ |
時空の味がしますわね。 |
森沢江湖 |
あはは……全然分かんない。 |
新庄千景 |
Understand?ずっとこんな感じでね。 なかなか前に進めないのさ。 |
サウザンド=シャドウ |
コイツラ、手下怪人食ッテバカリダ。 |
皆野祐樹 |
それは困ったね……。 |
網走マキナ |
私たちも困ってますの。 本能が勝ってるというか……食欲には勝てませんわ。 |
玉出レイ |
ごちそうの山を目の前にしたら、 ついつい気を取られてしまいますわ~。 |
皆野祐樹 |
とか言いながら、またどっか行っちゃった! |
新庄千景 |
Hey ladies! まったく、勝手に動き回らないでくれよ! |
新庄千景 |
そういうわけだから、俺たちは遊撃に回る。 あまりフォローはできないが悪く思わないでくれよ! |
皆野祐樹 |
こっちは大丈夫だから。 新庄くんも気をつけてね! |
酉原剛 |
しっかし、あの二人のフォローとか大変そうだな。 |
サウザンド=シャドウ |
イヤ、ソウデモナイ。 一緒ニ戦ウ仲間ガデキテ、千景モ楽シイミタイダ。 |
酉原剛 |
ま、チームってのはいいもんだよな。 |
サウザンド=シャドウ |
俺モ、ツイテルカラナ。 コッチノコトハ、心配シナクテイイ。 |
酉原剛 |
おう、任せたぜ! みんな揃って、無事に戻ってこいよな! |
村雨礼司 |
みんな、気をつけろ! 南から手下怪人の大軍が来るぞ! |
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皆野祐樹 |
うわわ、すごい勢いで追いかけてくるよ! |
宇治館光正 |
あの数に捕まったら完全に足止めを食らうぞ! ここはなんとしても振り切るんだ! |
森沢江湖 |
そんなこと言われても、これ以上速く走れないよ~。 |
名雲光 |
敵のスピードも速いし、逃げ切れないっしょ。 迎え撃つしかなくね? |
新屋紙織 |
その必要はあらへんで! ウチらがおるからな! |
揖屋巴 |
ここはわたしたちに……任せて。 |
森沢江湖 |
紙織ちゃんに巴ちゃん! マイザーとヨモちゃんも来てくれたんだ! |
マイザーシキガミ |
トウゼンヤロー! |
ヨモちゃん |
ワタシモ……テツダウヨ。 |
村雨礼司 |
敵の数多いけど、平気か? |
新屋紙織 |
式神ぎょうさん持ってきたからな。 いくらでも相手にしたるわ。 |
揖屋巴 |
紙織ちゃんは……わたしたちが守るから。 式神に集中してくれていいよ。 |
新屋紙織 |
あんがとな、巴ちゃん。 心置きなくやらしてもらうわ。 |
新屋紙織 |
行け、ウチの式神軍団! 今年のお賽銭、ここで全部使い切るで~! |
揖屋巴 |
わあ……太っ腹だね、紙織ちゃん。 |
新屋紙織 |
使い切って!使い……つか……。 |
新屋紙織 |
うわぁぁぁぁぁぁ、やっぱ嫌や! お賽銭使い切りとうない! |
揖屋巴 |
えぇ~!? |
磐城藍 |
所持金をすべて使うことへの心理的障壁ですね。 お財布が空になるのは、誰でも嫌なものです。 |
マイザーシキガミ |
シンリテキナヤツカ~。 ナラシャーナイナ。 |
ヨモちゃん |
ソンナコトイッテルバアイジャ……。 |
新屋紙織 |
嫌なものは嫌なんや! せやから自分ら、さっさと親玉倒してきてや! |
マイザーシキガミ |
セコイデ、シオリン。 |
揖屋巴 |
ヒーロー学園から……補償とかないの? |
新屋紙織 |
あるで。あるけど証明するための物品が必要やねん。 やられて破けた式神のお札回収したりしてな。 |
名雲光 |
うわ~、それ超めんどうじゃん。 学園も融通利かせてくれればいいのに。 |
新屋紙織 |
前は自己申請でよかったんやけどな~。 ちょっと数字ごまかしたら、厳しくなったんよ。 |
揖屋巴 |
それ……自業自得なんじゃ……。 |
新屋紙織 |
とにかく、この乱戦でお札拾えとか無茶やろ? せやから急いでや!なるはやで頼むで! |
皆野祐樹 |
う、うん。なるべく急ぐね! |
宇治館光正 |
うぶっ。 |
---|---|
磐城藍 |
どうしたんですか、光正? 間抜けな声を出して。 |
宇治館光正 |
間抜けとはなんだ。 いきなり顔に糸が張り付いて、驚いたんだ。 |
出島ソラ |
というか、周りがクモの巣だらけになってるね。 |
森沢江湖 |
え、クモの巣?ということは……。 |
高石富美子 |
ハ~イ、江湖ちゃん。 相変わらずいい抱き心地してるわね。 |
森沢江湖 |
わっ、やっぱり高石さん! いきなり後ろから抱きつくのやめてよ~! |
高石富美子 |
いいじゃない別に。 他のみんなも元気みたいで、お姉さん安心したわ。 |
皆野祐樹 |
こ、こんにちは、高石さん! |
宇治館光正 |
高校生同士の挨拶とは思えんな……。 |
高石富美子 |
よく言われるわ。 |
皆野祐樹 |
それで、この様子だと……。 高石さんは、ここに留まるんですか? |
高石富美子 |
ん~、よく考えたらワタシって、 罠を張って待ち構えるタイプなのよね。 |
酉原剛 |
ひとりで大丈夫なのか? |
茅ヶ崎鋼牙 |
高石さんには、オレがついとくから安心しろ。 雪の波もバッチリ乗りこなしてみせるぜ。 |
高石富美子 |
フフフ、ここは二人のイタズラゾーンになるのよ。 大勢の手下怪人を弄んであげるわ。 |
茅ヶ崎鋼牙 |
陽動役はオレ。 なるべく広い範囲の敵を誘き寄せてみせるぜ。 |
比嘉突刃 |
イタズラと聞いて! |
森沢江湖 |
わっ、比嘉くんまで来た! |
比嘉突刃 |
あのさ~。ボクを差し置いてイタズラとか 言ってほしくないわけ。そこんとこ分かってる? |
高石富美子 |
あら、それは悪かったわね。 それじゃあアナタも一緒にやっちゃう? |
比嘉突刃 |
キヒヒ、話分かるじゃん。 やるやる~。 |
村雨礼司 |
やりすぎて味方まで巻き込むなよ……。 |
新垣獅子男 |
なんくるないさー。 お目付け役のオレも一緒だからな。 |
村雨礼司 |
新垣が一緒なのか。それなら安心だ。 |
新垣獅子男 |
ここで敵ボスを倒すまで粘るんだな? だったら回復はオレに任せておけ。 |
森沢江湖 |
えっ……? 新垣くんって、回復能力者だったの? |
新垣獅子男 |
ああ、そのとおりだ。 得意なのは病気の治療や予防だな。 |
嵐山瑠璃 |
あら、そうでしたのね。 てっきり格闘系の能力者だと思ってましたわ。 |
新垣獅子男 |
ハハハ、鍛えてるからな。 そう思ってるやつは多いかもな。 |
森沢江湖 |
これが終わったら、新垣くんも 回復能力者同盟に勧誘しなくちゃ……! |
五霞夢香 |
あ、来た来た。 お~い、超変身ズ~。 |
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皆野祐樹 |
そんな感じで呼ぶ人多いけど、 そのチーム名なんとかならないかな? |
狼森赤音 |
なにか気になるの? |
皆野祐樹 |
その、僕の肩身が……。 |
名雲光 |
みなのん、気にすんなって! |
狼森赤音 |
うん、気にしないほうがいい。 それ言い出したら、変身能力者のわたしの立場は? |
酉原剛 |
赤音は狼に変身するもんな。 言ってみりゃ、元祖変身ズだもんな。 |
狼森赤音 |
その呼び名はちょっと……。 本家とかいそうなネーミングだし。 |
五霞夢香 |
それはともかく、みんなは先に進んで。 ここは私と赤音ちゃんで引き受けるから。 |
ウサタロー |
まだまだ手下怪人は大勢いる。 気をつけるんだぞ! |
狼森赤音 |
わたしと五霞さんには、コンボ技があるから。 心配しないで。 |
酉原剛 |
ほう、ツープラトンか! どんな技なんだ? |
五霞夢香 |
まずは私がリンゴフィールドを展開して、 一気にリンゴの木を成長させるの。 |
狼森赤音 |
次にわたしが、木に実ったリンゴで変身して戦うの。 |
村雨礼司 |
そうか、狼森は丸いものを見て変身する能力だから、 リンゴで常に変身状態を保てるようにするのか。 |
五霞夢香 |
そういうことだね。 |
青島寧々子 |
なるほど、それはいい作戦だニャン。 |
熊代美玲 |
これもなにかの縁。 私たちも相乗りさせてもらうアル! |
酉原剛 |
今度はぴょんぴょんズか。 |
熊代美玲 |
変なコンビ名アルな。まあ別にいいアルが。 |
酉原剛 |
で、ぴょんぴょんズはどんな風に戦うんだ? こいつらみたいに合体技とかないのか? |
青島寧々子 |
フッ……ミャーたちは普通に強いからニャ。 そういうのはないのニャン。 |
酉原剛 |
ないのか。 |
青島寧々子 |
けど、ちょっと二人だけじゃアレだから、 作戦立ててるところに参加することにしたのニャン。 |
熊代美玲 |
私たちがフォローすることで、 作戦の成功率を上げるわけアル! |
森沢江湖 |
二人じゃ心細かったんだねー。 |
青島寧々子 |
そうとも言うニャ。 |
熊代美玲 |
でも私と夢香の親和性は悪くないと思うアルよ。 植物を利用したカンフーアクション、見せてやるアル! |
青島寧々子 |
ミャーは、アカネにゃんをモフッて、 気分を高揚させながら戦うニャン。 |
狼森赤音 |
えっ。それはちょっと……。 |
青島寧々子 |
ちょっとだけだから! ちょっとモフモフするだけだからニャ~! |
五霞夢香 |
ということで、戦力も倍増したし、 追撃阻止は私たちにお任せあれ! |
村雨礼司 |
……ここは多分、お前次第だ。 しっかり頼んだぞ、デスティニーローズ。 |
名雲光 |
セクレト、戦況報告。 今どんな感じになってんの? |
---|---|
セクレト |
浅間山全体で戦闘が頻発している状態です。 戦況は流動的でカオス化しており、分析は困難。 |
皆野祐樹 |
まだどっちに転んでもおかしくない感じってことかな。 |
名雲光 |
そこをシミュレートするのがセクレトの仕事っしょ。 少しでも有利に戦いを進めないと。 |
セクレト |
申しわけありません。 |
名雲光 |
……あ、そうだ! ちょっとスピスタ、手を貸してよ。 |
宇治館光正 |
なんだ? |
名雲光 |
ちょっとだけ未来に行って、 この後どうなるか見てきてくんない? |
酉原剛 |
おお、頭いいじゃねーか光! それが分かれば、この後どうするか考えやすいぜ! |
名雲光 |
イヒヒ~、そうでしょ? |
宇治館光正 |
悪いが、無理だな。 |
宇治館光正 |
俺の能力では、一度時間移動したら 同じ時間軸には戻ってこれない。 |
森沢江湖 |
そういえば、前にそんなようなこと言ってたね。 |
村雨礼司 |
過去に戻ってやり直すことはできないんだったな。 |
宇治館光正 |
それに……いずれにしても今は未来に飛べないんだ。 |
皆野祐樹 |
未来に飛べない……? それってどういう意味なの? |
宇治館光正 |
未来が不確定状態になった。 この時空特異点のカオスが極限に達した影響だろう。 |
磐城藍 |
時空怪人、格闘家、サムライ…… 力ある者たちが、この特異点に集まり過ぎたのです。 |
宇治館光正 |
あらゆる可能性により、未来は霧散化した。 今飛んでも、可能性の霧に取り込まれるだけだ。 |
ウサタロー |
ウオオオーッ! 難しくて話がサッパリ分からないぜ! |
宇治館光正 |
今が未来の分かれ道。 未来がどうなるか、誰にも分からないってことだ。 |
ウサタロー |
なるほどな!よく分かったぜ! |
皆野祐樹 |
どんな未来になるかは、僕たち次第ってことか。 |
宇治館光正 |
エターナルとの決着がつく頃には、 おそらく新たな未来が確定しているだろう。 |
嵐山瑠璃 |
それがどんなものであれ……ですわね。 |
宇治館光正 |
……そうだ。 最悪、何も残らず宇宙は消滅することになる。 |
出島ソラ |
そうはならないさ。 エターナルを倒して、ボクはナミの未来を守る。 |
出島ソラ |
キミは違うのかい? |
宇治館光正 |
いや……俺も同じだ。 奴を倒して、今度こそ未来をつかみ取る! |
ウサタロー |
おう、その意気だ! みんなで力を合わせて、エターナルを倒そうぜ! |
定塚カノン |
おい、そこのボンクラ。いい加減働けよ。 |
---|---|
小森夢莉 |
こんな大軍相手に、無理~。 マジでグロすぎだわ~。 |
定塚カノン |
何しに来たんだお前……。 |
小森夢莉 |
あーしは来たくなかったから。 あーたが無理やり運んできたんでしょ~。 |
名雲光 |
あれ、こもっちとどろちーじゃん。 なに揉めてんの? |
定塚カノン |
はっ。お答えいたします、光様。 現在、レイジーフェイスと共に作戦行動中であります。 |
小森夢莉 |
あーしは寝てたいんですけど……。 |
定塚カノン |
こっちは光様の道を切り開かねぇといけねーんだよ! 戦闘能力だけは認めてやるからキリキリ動け! |
小森夢莉 |
ム~リ~。 |
酉原剛 |
俺様たちのために道を切り開いてくれんのか。 そいつはありがてぇな。 |
定塚カノン |
勘違いしてんじゃねーぞ。 光様のためであってテメェのためじゃねぇ。 |
酉原剛 |
そりゃねーだろ。 |
皆野祐樹 |
アンドロシーって、名雲さん以外には厳しいよね。 なんでこんなことになってるんだろう? |
名雲光 |
イヒヒ、なんでだろうね。 |
村雨礼司 |
だいたい想像はつくがな……。 |
定塚カノン |
とにかく、今すぐ立て。 立たなければ実力行使に出るぞ。 |
峰島千鶴子 |
まあまあ、暴力はよくありませんわ。 わたくしたちが協力しますから。 |
明石アレクセイ |
やれやれ、見てられないね。 ヒーロー学園のベストコンビが助けてあげようか? |
名雲光 |
あ、みねちーじゃん。ついでにハイカラも。 |
明石アレクセイ |
ついでなのは君たちのほうなんだよなぁ。 |
定塚カノン |
三下は黙ってろ。ぶっ飛ばすぞ。 |
明石アレクセイ |
は? |
峰島千鶴子 |
ほら、仲良くいたしましょう。 チームを組めば、不測の事態にだって対応できますわ。 |
定塚カノン |
あ?気に入らねえツラしてんな。 光様以外が私に命令するんじゃねぇ。 |
明石アレクセイ |
は?千鶴子ちゃんの美貌に対する感想がそれ? キミの視覚機能、壊れてるんじゃない? |
定塚カノン |
壊れてんのはテメェの―― |
名雲光 |
どろちー!仲良くやりな! |
定塚カノン |
はい、光様。 テメェら、よろしくお願いしやがります。 |
峰島千鶴子 |
はい、定塚様のお役に立てるよう、 わたくし一生懸命励みますわ。 |
明石アレクセイ |
こんなスクラップみたいなロボ相手に……。 千鶴子ちゃん、なんて心が優しいんだ……! |
小森夢莉 |
いつの間にか人増えてるし……。本当グロいわ~。 |
嵐山瑠璃 |
みなさん、見てください。 あんなところに屋台がありますわよ。 |
---|---|
皆野祐樹 |
なにを言ってるの、嵐山さん。 こんな山の中に屋台があるわけ……本当にあるね。 |
鬼咲芹華 |
あら、いらっしゃい。よく来たわね。 |
皆野祐樹 |
ショップのみんな!こんなところでなにしてるの? |
サラ=ゴールデン |
見てお分かりになりませんか? ヒーローショップ浅間山出張店、絶賛営業中です。 |
望月十五夜 |
みんなの補給基地ってわけばい! あんたたちもなんか買っていきなさいよ! |
皆野祐樹 |
あ、それじゃスタミナドリンクください。 |
森沢碧湖 |
お買い上げありがとうございます、ご主人様♪ |
名雲光 |
マジかー。ていうか商魂たくましすぎない? |
望月十五夜 |
こういうときに稼がず、いつ稼ぐってのよ。 |
森沢江湖 |
だからって、こんな最前線まで来なくても……。 |
望月十五夜 |
買い物のたびに山を登ったり下りたりは大変でしょ? お客様の利便性を考えたら、当然こうなるわけ。 |
鬼咲芹華 |
せっかくショップ開くなら、 ちゃんと利用してもらえるようにしなくちゃね。 |
森沢江湖 |
ペコちゃん、危ないことになってない? |
森沢碧湖 |
大丈夫だよ、お姉ちゃん。 私たちだけじゃなくて、カエルさんもいるから。 |
森沢江湖 |
カエルさん? |
金峰仙諸 |
ケロケロ~、オイラのことだよ。 |
村雨礼司 |
金峰も来てくれていたのか。 |
金峰仙諸 |
緊急事態だって聞いて、鹿児島から駆けつけたよ! |
金峰仙諸 |
オイラ、今度こそいいところを見せて、 望月さんに認めてもらうんだ~! |
望月十五夜 |
ウサタロー様、ニンジンはいかが? 採れたて新鮮のやつをたくさん入荷しておいたの。 |
ウサタロー |
今は大丈夫だ。この戦いが終わったらいただくぜ。 |
望月十五夜 |
や~ん、ウサタロー様ったらストイック~! |
村雨礼司 |
あんまりお前のこと見てなさそうだが、 まあなんだ、頑張れ。 |
金峰仙諸 |
こ、ここからだから……。 |
ウサタロー |
ウオオオーッ! そうだ、ここからはお前の見せ場だぜ、金峰! |
ウサタロー |
ここは今や、ヒーローたちの前線基地! ショップ店員たちを守れるかどうかは、お前次第だぜ! |
金峰仙諸 |
はい、師匠!オイラ頑張りますから! |
磐城藍 |
心強いですね。 ここは彼に任せて大丈夫でしょう。 |
酉原剛 |
そうだな。 そんじゃ俺様たちは、先に進もうぜ! |
酉原剛 |
と、その前に十五夜。俺様にニンジン売ってくれよ。 ニンジンって生でもイケるんだよな。 |
望月十五夜 |
せからしかーっ! あんたに食わせるニンジンは一本もなかとよ! |
酉原剛 |
たくさん入荷したんじゃなかったのかよ!? |
宇治館光正 |
む……? 変だぞ、手下怪人が急にいなくなった。 |
---|---|
森沢江湖 |
さっきまであんなにいたのに……。 |
名雲光 |
誰かが巨大なバリアを張って、 手下怪人を遮ってるとか? |
磐城藍 |
私もその可能性は考えましたが、 それにしては周囲に何も見えませんね。 |
番堂凱 |
その理由はー! こちらの槙野女史にありまーす! |
槙野エリー |
すぐそばで大きな声出さないでよ! 耳がおかしくなるでしょ! |
皆野祐樹 |
番堂くんと槙野さん! |
槙野エリー |
……あ、皆野くん♪ よかったわ、無事みたいね。調子のほうはどう? |
皆野祐樹 |
あ、はい、連戦の疲れはありますけど、 みんなのおかげでここまでは順調です。 |
皆野祐樹 |
というか、槙野さんがここにいるってことは……。 |
久留米久重 |
そう、彼女の確率操作の能力ですよ。 この周辺に手下怪人が近付かないようにしてるんです。 |
ロボ美 |
その女には、久ちゃんが安全に情報収集できるよう、 汗水たらして働いてもらっているのよ。 |
久留米久重 |
ロボ美、そういう言い方はやめましょう。 槙野女史のおかげで、安全に活動できるんですから。 |
セクレト |
久留米様には、浅間山全域の戦況を把握するために、 多大な協力をお願いしております。 |
久留米久重 |
僕がここで情報を集めて、それをセクレトが ヒーローたちに広めてくれているわけです。 |
出島ソラ |
へぇ、それは心強いね。 そっちの君はなにをしているの? |
番堂凱 |
自分は、応援ッス! |
番堂凱 |
ここからなら、広域に渡って声援を届けられるッス! 自分、応援だけが取り柄なんで! |
皆野祐樹 |
アハハ……声デカいなぁ。 |
槙野エリー |
皆野くん、もうひと踏ん張りよ。 ここまでで手下怪人の警戒網の大半は突破できたわ。 |
森沢江湖 |
とうとう終わりが見えてきたね。 |
久留米久重 |
背後のヒーローたちが、 頑張って敵を引きつけてくれてるおかげです。 |
森沢江湖 |
みんなは大丈夫なのか? |
槙野エリー |
死亡者の報告はまだないけど、長くはもたないわ。 |
酉原剛 |
だったら先を急がねぇとな。 |
ロボ美 |
ここから先に進んだヒーローたちはほんの数人だけよ。 みんな、あなたたちのために死力を尽くしてるわ。 |
久留米久重 |
彼女らが力尽きる前に山頂までたどり着いてください。 それがみなさんの役割です。 |
番堂凱 |
がんばってください! 全力で応援してるッスから! |
皆野祐樹 |
うん、エターナルは必ず僕たちが倒してみせるよ! |
羽生未緒 |
お姉さま、ごめんなさい。 ワタシもう……。 |
---|---|
羽生佳織 |
ブラン、気をしっかり! 傷は浅くてよ! |
羽生未緒 |
けれどお姉さま、ここにはもう……。 |
羽生佳織 |
しっかり!しっかりなさい、ブラン! |
羽生佳織 |
くっ……なんてこと!ここは不毛の地だわ! まったく恋愛に縁のない戦場なんて……! |
羽生未緒 |
恋愛成分ゼロで干乾びそうなのです。 潤いが欲しいのです~。 |
甘江萌桃 |
よく分からないけど、大変でがんす。 ミルク飲むでがんすか? |
羽生未緒 |
そういう意味の潤いじゃないのです~。 |
寺町小梅 |
ほほほ、はんなりしてはりますなぁ。 |
羽生佳織 |
ときに、もももさん。 あなた好きな殿方はいらして? |
甘江萌桃 |
いきなり何の話でがんす!? |
羽生未緒 |
私たちにとって、他人のコイバナは活力。 人の恋路に首を突っ込むことだけが生き甲斐なのです。 |
寺町小梅 |
堂々と何言うてはりますの。 あんまり褒められた趣味じゃありまへんえ? |
羽生佳織 |
けれど、このままじゃ本当に限界でしてよ。 あとどれだけ戦っていられるか……。 |
甘江萌桃 |
そうでがんすね……。 皆野さんたち、早く来てくれないでがんすかね? |
皆野祐樹 |
アメール!ブラン!ごめんね、今来たよ! |
羽生未緒 |
やっと来たのです~。遅いのです~。 |
森沢江湖 |
それに、もももちゃんも小梅ちゃんも。 ここまで道切り開いてくれて、ありがとうね! |
寺町小梅 |
そんな、ウチなんて大したことでけてまへんけども。 |
村雨礼司 |
下のショップでスタミナドリンクを買ってきた。 これでも飲んで回復してくれ。 |
甘江萌桃 |
助かるでがんす~。 |
羽生未緒 |
それじゃワタシたちはワタシたちのやり方で、 スタミナを回復するのです。 |
羽生佳織 |
江湖さん、ちょっとよろしいかしら。 その後の進展について聞かせていただける? |
森沢江湖 |
それって今する話!? |
名雲光 |
はいはい、そういう話はゴシップガールとやりな。 |
羽生未緒 |
光ちゃんのいけずなのです! |
ウサタロー |
体力を回復させたら、後ろに下がってくれ! サーチレディたちと合流するんだ! |
寺町小梅 |
ぶぶ漬け食べて、さっさとお帰りやす、と。 そういうことでありんすね? |
皆野祐樹 |
うーん、ちょっと違うかな……。 |
皆野祐樹 |
山が静かになった……。 近くにいる手下怪人も、残り少ないみたいだね。 |
---|---|
七条三十三 |
それは俺たちが減らしておいたからだぜ! |
七条蓮華 |
みんな大丈夫? |
森沢江湖 |
フウライ・ボーイズ! ここにいたのね! |
七条三十三 |
まあなんだ。最初に飛んで突撃したら撃墜されてな! そのまま大暴れしてたってわけだ! |
七条蓮華 |
山の上のほうはそこそこ敵が手薄になってるよ。 プリティ・エレメンツが向かってったから。 |
磐城藍 |
いよいよ警戒網の終わりが 見えてきたということですね。 |
嵐山瑠璃 |
ですが、山の下のほうからは、 相変わらず激しい音が聞こえてきますわ。 |
七条蓮華 |
じゃあ、そっちに行こうかな。 敵のボスには超変身がいるんでしょ? |
七条三十三 |
下でピンチになってる奴らを助けたほうがいいな。 行くぜ!おらおらおら~! |
ウサタロー |
あっ!飛ぶのは危ないんだぜーッ! |
名雲光 |
手下怪人が群がって団子みたいになって墜ちたわ。 ウケる。 |
名雲光 |
ダメージはそんなにないみたいだよー。 元気に戦ってるわ。 |
出島ソラ |
戦い自体はまだ続いてるってことか。 戦況も変わらず混沌としたままだろうね。 |
宇治館光正 |
……やるなら今か。 |
皆野祐樹 |
やるって、何を? |
宇治館光正 |
ライオンハート、お前の超変身に決まっている。 試練を受ける覚悟はできているか? |
皆野祐樹 |
え、このタイミングで? でも、その……そんなことしてる暇あるのかな? |
宇治館光正 |
逆だ、今しかない。 警戒網を抜けて奴へと至るまでの、今しかな。 |
宇治館光正 |
ここから先の戦い、きっと超変身した ライオンハートの力が必要になる。 |
皆野祐樹 |
そんな、僕なんて……。 みんなの力があれば十分じゃないかな。 |
森沢江湖 |
私は必要だと思う。 変な謙遜はしないでほしいな、祐樹くん。 |
宇治館光正 |
皆野、お前が俺たちをここまで引っ張ってきた。 他のみんなもそう思っているはずだ。 |
磐城藍 |
ですね。 このバカを説得できたのも、皆野さんのおかげです。 |
嵐山瑠璃 |
皆野さんたちが守ってくれなければ、 私は仙台で死んでいたかもしれませんわ。 |
出島ソラ |
僕はあんまり知らないけど。 でも未来を守るために、ずっと頑張ってきたんでしょ? |
名雲光 |
ウチ適当だからさ~。 みなのんいなかったら、こうはならなかったと思うよ。 |
村雨礼司 |
お前の能力、感情爆発は強力だ。 それが超変身でどうなるのか見せてくれないか? |
酉原剛 |
山頂までは、俺様が運んでやる。 だから安心して試練を受けてこいよ! |
森沢江湖 |
だから祐樹くん、私たちに力を貸して! |
ウサタロー |
ウオオオーッ! ここまで言われたら引き下がれないぜ! |
ウサタロー |
オイラからも頼む! お前のスゲー力を見せてくれ、皆野! |
皆野祐樹 |
みんな……! |
皆野祐樹 |
分かった……やるよ。 超変身の試練、受けるよ。 |
宇治館光正 |
ああ、それでこそだ。 その間のことは俺たちに任せておけ。 |
皆野祐樹 |
下で戦ってるみんなのこともあるから……。 急いで戻ってくるよ! |
宇治館光正 |
ああ、待っている。 お前にはそれだけの実力があるはずだ。 |
皆野祐樹 |
うん!それじゃ行ってくる! |
森沢江湖 |
頑張ってね、祐樹くん……! |
神田彩歌 |
みんな、お疲れ様。 ついにここまでやってきたのね。 |
---|---|
森沢江湖 |
プリティ・ミューズ! それにエレメンツのみんな! |
松永鏡 |
ここはもう警戒網の外よ。 近くに手下怪人はいないから安心して。 |
村雨礼司 |
ということは、山頂はもう近いのか? |
リンジー・ネリーベ |
山頂は目と鼻の先デース。 この先にヤツもいますから、頑張るデース。 |
酉原剛 |
いよいよ決戦間近だな! お前たちも一緒に来るんだろ? |
佐久間良子 |
ううん、私たちはここに残るわ。 下から敵の増援が来ないよう、引き受けるつもりよ。 |
花岡奈緒 |
敵にオシオキできないのはちょっと残念だけど……。 その役目は……あなたたちに譲ってあげる。 |
神田彩歌 |
やっぱり今回の作戦の主軸は、 皆野くんたちの超変身組だからね! |
神田彩歌 |
って、その皆野くんが倒れちゃってるじゃない! いったい何があったの!? |
宇治館光正 |
超変身の試練を受けている最中だ。 本当はもっと早く受けられたらよかったんだがな。 |
神田彩歌 |
そっかー。あまり時間の余裕もなかったもんね。 |
ウサタロー |
そういえば、時間はまだ大丈夫なのか? 『虚無』ってやつが広がってきてるんだろ? |
セクレト |
最新の観測データを基に算出したところによると、 みなさまに残された時間は十数分あまりとなります。 |
森沢江湖 |
たったそれだけ!? |
名雲光 |
十数分って、なんかふわっとしてない? AIなんだから、もっとはっきりした数値出しな? |
セクレト |
山頂周辺の観測データに、歪みが見られます。 おそらくは時空の穴から近い影響でしょう。 |
セクレト |
正確な残り時間が算出できないのも、 データの振れ幅が大きすぎるためです。 |
森沢江湖 |
その十数分に間に合わなかったら、 本当に宇宙は終わっちゃうの……? |
名雲光 |
短すぎてウケるわ。 |
酉原剛 |
ウケるしかないよなぁ、マジで。 |
村雨礼司 |
よし、それじゃここで皆野を待とう。 皆野が目覚め次第、山頂のエターナルに挑むぞ! |
神田彩歌 |
ちょっと、それで本当に大丈夫なの? |
ウサタロー |
俺たちは皆野を信じている。 こいつは必ず間に合ってくれるはずだ。 |
出島ソラ |
ギリギリまでは僕も待つよ。 間に合わなければ、一人で行かせてもらうけど。 |
森沢江湖 |
大丈夫……こういうときの祐樹くんは、 とても頼りになるんだから! |
酉原剛 |
…………い。おい、そろそろ起きろよ。 いつまで寝てるつもりだ、祐樹。 |
---|---|
皆野祐樹 |
ハッ……その声は酉原くん? |
皆野祐樹 |
ここって……学園? もしかして僕、寝てたの? |
皆野祐樹 |
ていうか今まで見てたのは……夢? もしかして夢オチだったりして? |
村雨礼司 |
そうでないことは、お前が一番よく分かってるはずだ。 |
皆野祐樹 |
村雨くんも……? |
皆野祐樹 |
そっか、ここは夢の中なんだね。 僕は今、超変身の試練を受けている最中なんだ。 |
村雨礼司 |
そういうことだ。 そして俺たちが、第一段階の相手を務める。 |
皆野祐樹 |
第一段階かぁ。 |
酉原剛 |
おう、第一段階だ! この先もあるから覚悟しておけよ! |
皆野祐樹 |
ちょっと意外だな……。 |
酉原剛 |
何がだ? |
皆野祐樹 |
酉原くんと村雨くんって、僕の中では かなり強い印象のあるヒーローのはずなんだよね。 |
皆野祐樹 |
同じチームだし、何度も助けられてるし……。 間近で見てきた強いヒーローの代表って感じだよね。 |
皆野祐樹 |
その二人が試練の最初に出てくるっていうのは、 正直言ってビックリだよ。 |
酉原剛 |
おう、褒めてくれてありがとよ。 |
村雨礼司 |
というか……やけに落ち着いてるな。 |
皆野祐樹 |
みんなの試練も見てきたしね……。 どんなものかは、なんとなく分かってるよ。 |
皆野祐樹 |
えっと……多分だけど、二人とも僕の一部なんだよね? |
酉原剛 |
まあ、そのとおりだ。 ネタが割れてるってのは、やりにくいもんだな。 |
村雨礼司 |
まったくだな。 そこまで分かってるのなら、少し話でもするか? |
皆野祐樹 |
どうして最初に現れたのが二人なのか興味あるけど、 ごめん、今は時間がないんだ。 |
酉原剛 |
だったら、さっさと戦おうぜ! |
皆野祐樹 |
え、そっちもちょっと……。 戦わずに話し合いで解決できない? |
村雨礼司 |
話してる時間はないとお前が言ったんだろう。 いいから構えろ、皆野。 |
酉原剛 |
俺様たちを倒してみせろ! そうすれば祐樹の抱えてる問題も分かるぜ! |
皆野祐樹 |
僕の抱えてる……問題? |
村雨礼司 |
そちらから来ないなら、こちらから行くぞ! さあ……試練の始まりだ! |
村雨礼司 |
お前の勝ちだ……さすがだな、皆野。 |
---|---|
皆野祐樹 |
うう、二人とも倒しちゃった。 |
皆野祐樹 |
本当にこれでよかったのかな。 なんともいえない罪悪感があるんだけど。 |
名雲光 |
夢の中なんだし、別にいいんじゃね? |
森沢江湖 |
村雨くんと酉原くんを、 本当に傷つけたわけじゃないもんね。 |
皆野祐樹 |
あっ、森沢さんに名雲さん。 やっぱり二人も出てくるんだね……。 |
名雲光 |
ま、ウチらもチームメイトだしね。 みなのんの中の印象が強いのは当然じゃん? |
森沢江湖 |
それにしてもすごいよね、祐樹くんの能力。 どんな相手でも倒せちゃうんじゃない? |
森沢江湖 |
感情爆発で、無限のパワーを引き出せちゃうんでしょ? |
皆野祐樹 |
そんなに便利な能力じゃないよ。 未来怪人相手には、通用してないし。 |
皆野祐樹 |
とてもじゃないけど無限のパワーなんて……。 |
森沢江湖 |
おかしいなぁ。 祐樹くんなら、できるはずなんだけど。 |
皆野祐樹 |
え……? それってどういう意味……? |
名雲光 |
怪人相手のとき、みなのんってなに考えてる? 被害者さんとか仲間に、想いを馳せてるっしょ? |
名雲光 |
「負けたら大変なことになる」とか、 「みんなも怪人も助けたい」とかってさ。 |
皆野祐樹 |
う、うん……。 |
名雲光 |
それがみなのんのパワーの源なわけだけど、 その逆もあるわけ。 |
名雲光 |
「戦いたくない」とか「怪我をさせたくない」とか。 たとえ怪人でも、相手を傷つけることを躊躇ってる。 |
皆野祐樹 |
うっ……! |
皆野祐樹 |
もしかして僕は、相手を傷つけないために、 知らず知らずのうちに……? |
森沢江湖 |
だって祐樹くんは本来、平和主義者だもん。 |
森沢江湖 |
話し合いで解決できればそれが一番だって、 いっつも言ってるもんね。 |
名雲光 |
でも、なかなかみんな話し合いに応じてくれない。 みなのん的には、辛いところっしょ。 |
森沢江湖 |
そうなんだよね。 いつも、これから起こることみたいになっちゃう。 |
皆野祐樹 |
ち、ちょっと待ってよ二人とも! そこまで分かってるなら、こういうのはやめようよ! |
名雲光 |
それでも怪人は襲ってくるよ。 |
森沢江湖 |
みんな、祐樹くんみたいだったらいいのにね。 |
皆野祐樹 |
くっ……僕の抱える問題は分かった。 |
---|---|
皆野祐樹 |
けど、だからってどうすれば……。 人を傷つけることを躊躇うのは当然じゃないか! |
不動老師 |
おや?今の声……。 そこにいるのは皆野君かね? |
皆野祐樹 |
この声は……! まさか今度は学園長まで現れるなんて! |
不動老師 |
試練?なんのことかね? |
不動老師 |
儂は今しがたまで学園で作戦指揮をしていたのだが。 どうして浅間山にいるはずの君がここに? |
皆野祐樹 |
あれ?試練のために来たんじゃないんですか? というか今の発言、もしかして本物の学園長? |
不動老師 |
うむ、儂は正真正銘の不動老師だが。 |
不動老師 |
……なるほど、なんとなく察したぞ。 試練というのは、超変身中の再配置のことだな? |
皆野祐樹 |
あ、はい、そうです。 |
不動老師 |
そして儂は、再配置のもたらす不可思議な現象で 君の中に呼び寄せられたのだ。 |
皆野祐樹 |
えっ、そんなことが? |
不動老師 |
セクレトのレポートに書かれていた。 酉原君も似た体験をしたそうだ。 |
皆野祐樹 |
も、もしそれが本当だったら、 大変なときに手間をおかけして本当にすみません。 |
不動老師 |
いや、かまうことはない。 キミの能力は、確かに宇宙を救う鍵となろう。 |
皆野祐樹 |
そ、それじゃ、せっかくなので、 ひとつ相談に乗ってもらっていいですか? |
不動老師 |
遠慮することはない。 なんでも相談してくれたまえ。 |
皆野祐樹 |
えっと……どう話したらいいかな。 |
不動老師 |
言葉選びに悩むなら、拳で語りたまえ! 儂に直接悩みをぶつけるのだ! |
皆野祐樹 |
ええ~!? |
不動老師 |
安心するといい。 拳というのは、言葉以上に雄弁に語ってくれるのだぞ。 |
皆野祐樹 |
そういうものですか。 |
不動老師 |
そういうものだ。 |
不動老師 |
さあ来たまえ、皆野君! |
不動老師 |
一人の教育者として、全身全霊をもって、 キミの悩みに答えようではないか! |
皆野祐樹 |
は、はい! |
不動老師 |
……フフ、なるほどな。 千本君が言っていた儂の活躍の場とは、このことか。 |
不動老師 |
ならば儂も、十二分に働きを示さねばな! |
不動老師 |
なるほど。 これが今の、君の本気の拳か。 |
---|---|
不動老師 |
この拳を振り抜いておれば、 儂を倒せていたかもしれんな? |
皆野祐樹 |
それは……。 |
不動老師 |
だが、君はわずかに躊躇した。 おそらくは、儂が現実の存在であるがゆえに。 |
皆野祐樹 |
……はい。 |
不動老師 |
恐れを抱いたのだな。 感情爆発の力に、君は気付いてしまったのだろう? |
皆野祐樹 |
感情爆発は強力です。 一歩間違えれば、人を殺せてしまうほどに……。 |
不動老師 |
その恐れがリミッターとなり、 同時に君の限界となってしまったのだな。 |
皆野祐樹 |
学園長、僕はどうしたら……? |
不動老師 |
まず最初に、怪人が聞く耳を持たない限り、 戦闘は決して避けられないだろう。 |
不動老師 |
なぜなら超人能力に対抗できるのは、 超人能力だけなのだからな。 |
皆野祐樹 |
そんな……。 |
不動老師 |
しかし、ヒーローとは無理を通すものだ。 |
不動老師 |
君がとことんまで話し合いを求めるのなら、 言葉の通じない相手だろうがとことん話し合えばいい。 |
不動老師 |
手段はヒロイック隕石が与えてくれよう。 そのための超人能力を得ればいいのだ。 |
皆野祐樹 |
あ、新しい超人能力をってことですか? そんなこと、どうやって……? |
不動老師 |
君は今、超変身の真っ最中ではないか。 |
皆野祐樹 |
あっ、そうか! |
不動老師 |
そう、君はこれから新たな力を得るのだ。 願えばよい。キミはどのような力を望む? |
皆野祐樹 |
僕が……僕が欲しいのは、 すべてを焼き尽くす炎なんかじゃない。 |
皆野祐樹 |
人の心を救う炎……。 人の心を縛る、妄執の鎖を溶かす炎だ! |
不動老師 |
うむ、イメージができたようだな。 悪の心を焼き払う炎ならば、肉体も傷つけまい。 |
皆野祐樹 |
これなら、思いきり使えます……! |
千本炎 |
お見事ですじゃ、皆野殿。 |
千本炎 |
時の流れの中に、炎を操る者は数多あれど、 こんな変わった力を欲したのはそなただけであろうな。 |
皆野祐樹 |
あ、今度はカイザーフェニックス? |
千本炎 |
皆野殿のために手を貸そうと思いましてな。 少しだけお邪魔いたしますぞ。 |
千本炎 |
朕と「なのましん」の力で、 皆野殿の新たな力を仕上げてさしあげましょう。 |
千本炎 |
心の熾火よ、今こそ燃えあがるとき! |
皆野祐樹 |
この力は……! すさまじいのに、優しくて温かい。 |
千本炎 |
この温もりは、もとより皆野殿の中にあったもの。 |
千本炎 |
感情爆発と併せることで、無類の破壊力―― もとい、説得力を生み出すことでしょう。 |
千本炎 |
さあ、名付けられよ。この能力の名前は? |
皆野祐樹 |
僕の新しい力……! その名は『ブレイズリベレーター』! |
出島ソラ |
『宇宙の終わり』が目に見えて広がり始めてる。 時間はもう残り少ないよ。 |
---|---|
嵐山瑠璃 |
超変身の試練というのは、まだ終わらないのですか? |
村雨礼司 |
さっきの学園長で終わりだろう。 もうすぐ目を覚ますはずだ。 |
森沢江湖 |
ちょっと待って。 なにか様子がおかしいよ? |
酉原剛 |
なあ、いつの間にか一人増えてるぜ。 そいつと揉めてるみたいだ。 |
名雲光 |
これって、もう一人のみなのん……? |
宇治館光正 |
くっ……何をやってるんだ、ライオンハート! |
・ | |
・ | |
・ | |
ダーク皆野 |
新しい力なんて手に入れない方がいい。 その力はきっと、お前を絶望させる。 |
皆野祐樹 |
君は……僕なの? その真っ赤な手……その手はいったい……。 |
ダーク皆野 |
お前が殺すかもしれない人間の血さ……分かるだろ? 俺は、人を殺すかもしれないお前の可能性なんだよ。 |
皆野祐樹 |
ぼ、僕は絶対に人殺しなんてしない……! |
ダーク皆野 |
過失ということだってありえる。 別に好き好んで人を殺したわけじゃない。 |
ダーク皆野 |
いいか、その力を手にするのはやめておけ。 きっと正しく使えずに、人を殺すことになるぞ。 |
ダーク皆野 |
いや、それ以前にヒーローをやめるべきだ。 お前の能力は危険すぎる……自分でもそう思うだろ? |
皆野祐樹 |
そ、それは……。 |
ダーク皆野 |
本当は、誰かを殴るのだって嫌なんだ。 根本的に、お前はヒーローに向いてないんだよ。 |
皆野祐樹 |
…………。 |
??? |
そんな声に惑わされるな! 俺は知っている、あなたは真のヒーローだ! |
皆野祐樹 |
え……今の声は? |
セクレト |
スピードスター様からの通信です。 |
ダーク皆野 |
そういえば未来じゃ伝説のヒーローなんだっけ? 何人殺せば、伝説になれるんだろうね。 |
宇治館光正 |
あなたは優しい人だ! 絶対に人を殺したりなどしない! |
ダーク皆野 |
君が知らないだけじゃないのか? 裏ではどんなことをしてたか分からないだろ? |
宇治館光正 |
いいや、俺には分かる! |
宇治館光正 |
なぜなら俺は、あなたの息子だから! |
皆野祐樹 |
えっ……。 |
森沢江湖 |
ええ~っ!?祐樹くんの子供!? |
名雲光 |
ちょっとスピスタ!あとで詳しく聞かせなよ! |
宇治館光正 |
うるさい、ちょっと黙ってろ! |
宇治館光正 |
とにかく恐れないでくれ、父さん! あなたなら、その力を正しく使うことができる! |
ダーク皆野 |
おっと……これはさすがに予想外だな。 |
皆野祐樹 |
確かに僕は、自分の能力を恐れてる。 いつか間違いを犯すんじゃないかって怯えてた。 |
皆野祐樹 |
けど、大丈夫だって背中を押してくれる人がいた。 |
皆野祐樹 |
しかも、未来の息子だってさ。 これってすごい自信に繋がると思わない? |
ダーク皆野 |
ふん、どうだかな。 |
ダーク皆野 |
その自信が勝るか、恐怖が勝るか……。 今ここで試してみろよ! |
皆野祐樹 |
うん、そうさせてもらうよ。僕の新しい力を……! |
皆野祐樹 |
ごめん、みんな。待たせちゃったよね……! |
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ウサタロー |
気にするな。ヒーローは遅れてくるもんだ。 |
皆野祐樹 |
その……宇治館くんもありがとう。 おかげで自信が持てたよ。 |
宇治館光正 |
……その話はあとだ。 今はそれより先にやるべきことがある。 |
ダークマター・エターナル |
…………。 |
皆野祐樹 |
君は……! |
宇治館光正 |
奴がダークマター・エターナル。 宇宙を滅ぼそうとしている元凶だ。 |
酉原剛 |
祐樹の試練も終わりそうだったからな。 一足先にここまで来ておいたんだ。 |
嵐山瑠璃 |
あの……お兄様、なんですよね? |
ダークマター・エターナル |
久しぶりだね、ナミ。 君にとっては違うのだろうけど。 |
皆野祐樹 |
あの、ちょっと話を……! |
ダークマター・エターナル |
ボクはそこにいるダークマターの未来だ。 これまでに君たちと話したことは、すべて覚えてる。 |
ダークマター・エターナル |
だから、あらためて君たちと話すつもりはない。 話すこともないしね。 |
名雲光 |
うわー、とりつく島なしって感じ。 あれどう思うよ、モジャモジャ先輩? |
出島ソラ |
余計な手間が省けていいんじゃない? やるべきことは決まってるんだし、さっさと戦おう。 |
ダークマター・エターナル |
戦うつもりもない……。 君たちは、ただそこで傍観しているといい。 |
村雨礼司 |
傍観しているつもりはない! お前の野望は、全力で阻止させてもらうぞ! |
ダークマター・エターナル |
野望なんかじゃない。ただ、できるからやるだけだ。 |
ダークマター・エターナル |
ナミがスピードスターに殺される未来を、 ボクは宇宙もろとも消し去る。 |
ダークマター・エターナル |
それができるだけの絶望を、ボクは見てきた。 |
ダークマター・エターナル |
ボクは、すべてを許さない。 |
ダークマター・エターナル |
価値のない宇宙、価値のない奴らが、 いたずらにナミの命を半ばで絶ちきった。 |
ダークマター・エターナル |
もはや、すべてが不要だ……。 虚無に呑まれて、何もかも消え去ってしまえばいい。 |
宇治館光正 |
いくぞ、みんな! 全員でエターナルを止めるんだ! |
皆野祐樹 |
僕が手に入れたこの力で、きっと君を止めてみせる! そっちにその気がなくても付き合ってもらうよ! |
宇治館光正 |
うおおおっ! |
---|---|
ダークマター・エターナル |
大したパワーだ、スピードスター。 それに他のみんなも……いいチームを揃えてきたね。 |
ダークマター・エターナル |
ボクを倒すために、頑張ったんだね。 |
宇治館光正 |
倒すために、ここまで来たんだ! |
ダークマター・エターナル |
だけど、残念ながら君たちの負けだよ。 もう時間切れだ。 |
皆野祐樹 |
それってもしかして……! |
ウサタロー |
じ、時空の穴が……! みんな気をつけろ、『虚無』が溢れ出すぞ! |
衛守アギト |
気をつけろと言われても、いったいどうしろと!? |
衛守カブト |
御嬢、せめて拙者の後ろに……! |
嵐山瑠璃 |
そんなことをしても無駄な気が……キャアアア~ッ! |
皆野祐樹 |
ウワアアアア~……って、あれ? |
磐城藍 |
私たち、まだ生きてますよね? |
酉原剛 |
もしかして、あの三人のおかげなのか? |
名雲光 |
エレクトロウェブで、周りを取り囲んだよ! これで通常の物理法則が適用される空間を維持するわ! |
村雨礼司 |
足場は俺に任せろ! アクアティックエースで雪を圧縮し、敷き詰める! |
森沢江湖 |
私のライフブーストで、二人をサポート! これでしばらくは『虚無』の侵食に対抗できるよ! |
ダークマター・エターナル |
こいつら……! |
ウサタロー |
見事な連携だぜ、三人とも! 事前に打ち合わせでもしてたのか? |
名雲光 |
万が一に備えてね。 一発勝負だったけど、上手くいってよかったわ。 |
森沢江湖 |
けどこれでホントのホントに最後だから。 次の手はないからね! |
村雨礼司 |
ロスタイムは作った。 あとはお前たちに託すぞ! |
ウサタロー |
よし、酉原はエターナルの動きを封じるんだ! 肉弾戦ならお前に分があるはずだぜ! |
酉原剛 |
おう、任せとけ! オールチャンピオンズで一気に畳みかける! |
磐城藍 |
私と嵐山さんで、酉原さんのサポートに入ります! |
ウサタロー |
その間に皆野は、新しい力で奴の妄執を焼けー! |
出島ソラ |
それじゃボクたちは、皆野くんをサポートしようか。 君の新しい能力に期待してるよ。 |
皆野祐樹 |
う、うん……。 |
宇治館光正 |
不安か、ライオンハート? だが大丈夫、あなたならきっと上手くやれる。 |
皆野祐樹 |
ありがとう、必ずやり遂げてみせるよ! |
ダークマター・エターナル |
……無駄な抵抗をしないでほしいな。 君たちも、大人しく消滅してくれよ……! |
酉原剛 |
ウリャー! |
---|---|
ダークマター・エターナル |
いい攻撃だけど……無駄だよ。 |
酉原剛 |
くそ、おかしいぜ! 確実にダメージを与えてるのに、ケロッとしてやがる! |
ダークマター・エターナル |
ボクは時空の間隙から無限の力を引き出せる。 どれだけダメージを受けようとも、修復できるんだ。 |
森沢江湖 |
それが本当なら、絶対に倒せないよ……。 |
宇治館光正 |
奴は息ひとつ乱していない……。 どうやら事実のようだな。 |
ウサタロー |
これだけのヒーローが集まっても、 倒せねぇのかよ……! |
ダークマター・エターナル |
村雨くんも名雲さんも、もうそろそろ限界でしょ? フィールドが不安定になってきてるよ。 |
村雨礼司 |
心配するな、まだイケるさ。 ……だが、このままじゃまずいのは確かだ。 |
名雲光 |
ウチはもうヤバいから、早いとこ何とかしてほしいわ。 |
ダークマター・エターナル |
何ともならないさ。このまま終わるだけ。 最初から全部終わっていたんだ。 |
皆野祐樹 |
君を倒すのは無理だと分かった。 倒すことが目的なら、確かに終わりなのかもね。 |
ダークマター・エターナル |
……何が言いたい? |
皆野祐樹 |
エターナル、君の目的はね、 もうすでに達成されているんだよ。 |
ダークマター・エターナル |
確かに、ほぼ達成したようなものだけどね。 宇宙はまだ消えてないから、ちょっと気が早いかな。 |
皆野祐樹 |
宇治館くんが言ってたんだ。 この時空特異点から先の未来は不確定だって。 |
皆野祐樹 |
つまり、未来はもう消滅してるんだ。 君の妹が殺される未来は、もう存在していない。 |
ダークマター・エターナル |
それはお前たちから見ての話だろう! |
ダークマター・エターナル |
ボクにとっては違う。 ナミの死は未来であると同時に、ボクの過去だ! |
ダークマター・エターナル |
過去は決して消えない。 どこまでも追いかけてきて、ボクを苦しめ続ける。 |
ダークマター・エターナル |
宇宙を滅ぼすしかないんだよ。 この苦しみから逃れる方法はね……。 |
皆野祐樹 |
君を苦しめてるのは、過去じゃない。 怒りと悲しみに縛られた、君の心だ! |
出島ソラ |
ナミを救えなかったことに対する、自責の念か……。 |
ダークマター・エターナル |
言うな……! |
皆野祐樹 |
君を縛る鎖を絶ちきり、君の心を解放する! 僕の手に入れた、この新しい炎の力で! |
ダークマター・エターナル |
やめろ!この怒りが!悲しみが! 今のボクを突き動かす、ボクのすべてなんだ! |
嵐山瑠璃 |
未来のお兄様がフィールドの外に! ここで取り逃してしまったら……! |
皆野祐樹 |
行かせるものか! 宇治館くん、手を貸して! |
宇治館光正 |
いいか、一気に『虚無』を突き抜けるぞ! 呑まれる前に、奴の心を絶て! |
皆野祐樹 |
うん、分かってる。必ず成功させよう! |
皆野祐樹 |
宇治館くん……未来を救うよ! |
宇治館光正 |
フン……当たり前だ! |
磐城藍 |
光正、行け~ッ! |
宇治館光正 |
滾る勇気を速度に変えろ! スターシップアクセル! |
皆野祐樹 |
燃える感情を、鎖を絶ちきる牙と成せ! ブレイズリベレーター……! |
酉原剛 |
『虚無』が消えた! |
---|---|
村雨礼司 |
皆野たちがやったのか? 二人はどうなった! |
ウサタロー |
フィールドの外は何ともないみたいだ。 地形が崩壊したりとかもしてない! |
森沢江湖 |
あ!あそこにいた! 祐樹くんも宇治館くんも……それからエターナルも! |
宇治館光正 |
周りの景色が元に……。 やったのか、ライオンハート……? |
皆野祐樹 |
手応えはあったけど……。 |
ダークマター・エターナル |
まったく、見事なものだね。 攻撃による説得とは、皆野くんらしい能力だ。 |
皆野祐樹 |
よかった……分かってもらえたんだね。 |
ダークマター・エターナル |
そうだね……。 もう宇宙を滅ぼす意味はないかな。 |
皆野祐樹 |
や、やったー! やっと説得で事件を解決できたよ! |
森沢江湖 |
アハハ、おめでとう祐樹くん。 けっこうヒーローやってるけど、初めてだもんね。 |
皆野祐樹 |
ありがとう、森沢さん! すごく嬉しいよ! |
磐城藍 |
光正も、お疲れ様です。 これで未来も救われますね。 |
宇治館光正 |
ああ……だが、まだ終わりじゃない。 エターナルに贖罪をしなければな……。 |
嵐山瑠璃 |
あら?未来のお兄様の様子がおかしいですわ。 少しずつ消えてるような……? |
ダークマター・エターナル |
ああ……執念の鎖を絶ちきられたからだろうね。 |
千本炎 |
彼は、時空から切り離された特異な存在じゃった。 本来なら、切り離された時点で消えるんだがの。 |
宇治館光正 |
カイザーフェニックス! |
千本炎 |
彼の形を保っていたのも、また執念じゃ。 それが消えた今、彼は可能性の霧となり消える運命。 |
宇治館光正 |
なっ……! |
皆野祐樹 |
そんな、せっかく和解できたのに……! |
出島ソラ |
だったら、ボクと融合する? |
名雲光 |
モジャモジャ先輩、それマジで言ってんの? |
出島ソラ |
彼も一応『ボク』だし、このまま消えるのを 見てるだけっていうのはちょっとね。 |
酉原剛 |
オイオイ、大丈夫かよ。 宇宙を滅ぼしたりしないだろうな? |
出島ソラ |
しないでしょ。 だって、ナミはまだ生きてるもん。 |
嵐山瑠璃 |
そうですわね、お兄様。 |
ダークマター・エターナル |
だけど……。 |
出島ソラ |
いいから来なよ。 君だってナミと一緒に生きていきたいでしょ? |
ダークマター・エターナル |
……そうだね。ありがとう。 |
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出島ソラ |
ふーん、なるほど。 記憶がちょっと増えたかな。 |
名雲光 |
え、そんだけ? 他に変わったこととかないわけ? |
出島ソラ |
妹のこと以外は、どうでもいいかなー。 |
名雲光 |
マジかー。 |
出島ソラ |
スピードスターも、もういいよ。 君は頑張った。だからもう自分を許してあげたら? |
宇治館光正 |
自分を許す……? そうか……俺もまた、心の鎖に苦しんでいたのかもな。 |
森沢江湖 |
そういえば、宇治館くんと藍ちゃんって大丈夫なの? |
宇治館光正 |
未来のことなら大丈夫だろう。 時空が確定し、新たな未来が出現しているはずだ。 |
磐城藍 |
私たちの任務も、これでおしまいですね。 |
森沢江湖 |
そうじゃなくて! 未来が変わっちゃったんだよ。消えたりしないの? |
宇治館光正 |
正直なところ、存在が消える覚悟はしていた。 |
磐城藍 |
そうですね……私も少し驚いてます。 どうしてなんでしょう? |
宇治館光正 |
分からないが、辻褄を合わせるように、 未来が再構築されたのかもしれないな。 |
森沢江湖 |
それじゃ、祐樹くんの子供っていうのも 変わってないんだ? |
宇治館光正 |
あ、ああ……そうだな。 |
皆野祐樹 |
えっと……。 |
宇治館光正 |
……父さん、俺はあなたを誇りに思っている。 |
宇治館光正 |
相手が怪人であろうと、あなたは決して 救うことを諦めるような人じゃなかった。 |
宇治館光正 |
事件に関わったすべての人を救ってみせる。 あなたはそれができる、最高のヒーローだった。 |
宇治館光正 |
そんなあなたに、みんなが憧れていたよ。 だから自信を持って、これからも頑張ってほしい。 |
皆野祐樹 |
うん、ありがとう。 |
皆野祐樹 |
ところで、ひとつ聞いていいかな。 お母さんって誰なの? |
宇治館光正 |
単刀直入だな! |
宇治館光正 |
これ以上のプライベートは秘密だ! 藍も絶対に話すんじゃないぞ! |
磐城藍 |
はいはい、分かりましたよ。 |
皆野祐樹 |
それで、二人はこれからどうするの? |
宇治館光正 |
しばらくはこの時代に留まるつもりだ。 ようやく一息つけるようになったからな。 |
磐城藍 |
時空の穴もすべて消えましたし。 この時代を楽しむのも悪くありませんよね。 |
セクレト |
ノー。時空の穴は、出現頻度は急落したものの、 今も存在し続けています。 |
名雲光 |
え、そうなの? そんじゃモジャモジャ先輩に消してもらう? |
出島ソラ |
悪いけど、ボクにはできないよ。 あれは怪人化して身につけた能力だったみたいだし。 |
村雨礼司 |
つまり、時空の穴絡みの問題は、 これからも起こり続けるってわけか。 |
名雲光 |
いつまで経ってもヒーローの仕事はなくならないね。 そうでなくても忙しいってのに! |
千本炎 |
まあ、今日くらいは浮かれて楽しんでもよろしかろう。 すでに学園では、祝勝会の準備が進んでおる。 |
セクレト |
作戦に参加したすべてのヒーローの安否を確認。 死者、重傷者はなし。祝うに値する成果です。 |
森沢江湖 |
やったー、みんな無事だったんだね! |
皆野祐樹 |
そっか……僕たち、学園に帰れるんだ。 ずいぶん久しぶりのような気がするよ。 |
村雨礼司 |
そうだな……。 |
森沢江湖 |
街にお買い物に行ったり、甘いものを食べたり。 帰ったらいろんなことしなくちゃだね! |
名雲光 |
ま、しばらくは平和な日々が続くでしょ。 宇宙救っちゃったし、これ以上の騒ぎなんてね。 |
ウサタロー |
甘いぜ、名雲! |
ウサタロー |
偉業を成し遂げたヒーローの前には、 それ以上の敵が現れるものなんだぜ! |
皆野祐樹 |
あはは、それは大変だね。 いつ現れるのかな。来週あたりとか? |
ウサタロー |
そうだな!きっとすぐ現れるに違いないんだぜ! |